水中糸強度実験(2)  04Jun2007

前回は錘を使った非常に大雑把な実験をしましたが,今回は精密万能試験機(AG-50NIS)を使った方法でもっと詳しく(定量的に)調べてみました。

  • ナイロン糸の強度
    テストは4社ナイロン0.175号についての試験力(TEST FORCE)VSストローク(STROKE)について(Fig.1)。価格は1200〜3000円と差があります。
    この4種類で約1N(ニュートン)言い換えると102g(=1000x1/9.8)の差があるのが判ります(約17%の差)。結び方による強度でなく単に糸のみの強度です。
    これらの結果からすれば,20cm前後の鮎が対象なら何れの糸を使っても問題は無さそうにも感じますが,トーナメントでは強い糸を使うにこしたことはないですね。

Fig.1 試験力-ストローク特性

  • ナイロン糸とフロロカーボン糸との強度比較
    次は,ナイロン0.175号とフロロカーボン0.175号を比較してみました(Fig.2)。
    結果は強度的には殆ど差はありませんが伸び方に大きな差が見られます。
    フロロカーボンは伸び率がほぼ一定なのが判ります。この差をどうみたら良いのか?
    あとは吸水性や擦れなどで強いとされるフロロカーボンが高価なのは納得。

Fig.2 試験力-ストローク特性



最後に,メタル0.02号,複合メタル0.05号,ナイロン0.175号,フロロカーボン0.175号全てをグラフにしたものをFig.3に示します。複合メタルの強度では0.05号という細さなのに約1kg弱の強度があるとは驚きです。尺鮎2尾の重さを吊るせるほどあるのでは!?

Fig.3 試験力-ストローク特性


試験速度 :200 mm/min
試験装置 :AG-50NIS
ロードセル :50N
つかみ具 :50N用空気キャップスタン糸つかみ具

最後に実験に協力下さった(株)島津製作所に感謝します。