淀川水系の中流、桂川上流大堰川(おおいがわ)流域にある天若(船井郡日吉町)は「世木(せき)の鮎」で有名であった。

現在は日吉ダムによって世木は消滅してしまった。この川でとれた鮎は漁師から仲買人、仲買人からアユモチとよばれる運搬人によって嵯峨の鳥居本にある鮎問屋に運ばれた。その問屋から京都市内の料亭や料理屋に運ばれたそうである。アユモチオケという桶に50〜60尾ずついれて、天秤でおいわけにして運ばれていたそうです。

世木の上流部大堰川(上桂川)の山国八村から京都の朝廷に御用鮎が献上されていた(15世紀末以降)。大堰川と京都は鮎の道によってつながれていた。山国八村から朝廷に運ばれる献上鮎の制度は明治初期まで存続した。






鮎の道行程表
--- 通称・地名 距離(km)
0 世木林 0
1 上世木の谷水 2.0 (2.0)
2 柿ノ木橋 3.4 (1.4)
3 カヤの水 3.8 (0.4)
4 谷水 4.9 (1.1)
5 神吉上区民家 5.7 (0.8)
6 神吉上区・下区境の谷川 6.5 (0.8)
7 ナガイケ手前の谷水 8.7 (2.2)
8 カマガ谷の谷水 10.0 (1.5)
9 越畑手前の谷水 11.8 (1.8)
10 四所神社境内の水 12.9 (1.1)
11 愛宕道近くの谷水 13.4 (0.5)
12 水尾手前の谷水 17.5 (4.1)
13 清滝 23.9 (6.4)
14 6丁峠 25.1 (1.2)
15 嵯峨鳥居本 26.1 (1.0)
(資料: 「アユと日本人」, 秋道智彌 著)